その眼がいつから自分を見ていたのか 気がついたときにはいつもいっしょだった お兄ちゃんという言葉を知ったとき お兄ちゃんなんだと 何となくそう思った 怖いなんて思ったことはなかった やさしい目だった そして、ときどき、悲しそうな目だった いつもいっしょだった 誰にも言っちゃいけない 言ったらダメなんだってことは子供心にわかった 大人の反応を悟るような、言われなくてもわかる子だった いつも見ていてくれた ひっこしの日 お兄ちゃんと遊ぶ お別れ 泣いてしまう パパとママは仲が悪い お兄ちゃんがおでこに触れると お兄ちゃんの思念が入ってくる パパとママの若い頃 恋愛時代を見せられる パパとママなの? にこにこと笑顔でうなずくお兄ちゃん お別れなの? 首を横に振るお兄ちゃん これからも一緒? また、にこにこと笑顔でうなずくお兄ちゃん 指切りげんまん (水子の霊、あるいは、ざしきわらし) |
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